『毒箭(どくぜん)を抜かずして、空しく来処(らいしょ)を問う』
これはお大師さんの愛称で馴染みのある弘法大師 空海の言葉です。
「毒矢が刺さっているのに抜こうともせず、誰が矢を放ったのかを尋ねる」
という意味です。
毒矢で射抜かれたのならば、誰が矢を放ったのかをつきとめるよりも、
先ずは毒矢を抜く事が先決ですよね。
毒矢で射られたのに、毒矢を抜くことよりも誰が毒矢を放ったのかと
そのことだけに躍起になっていたら、助かる命も助かりませんよね。
何かが起こった時に、冷静に何を最優先しなければならないのか、
そして、どういう順序で対処していけばいいのかを考えられなければならない
ということをお大師さんは、戒めてくださっているのでしょうね。
【顕正(けんしょう)】
正しい道理を表し示す。